北京オリンピックのカーリング種目が始まりました。
今大会の日本代表であるロコ・ソラーレは「カーリング女子」に出場します。
この記事では
- カーリングの基本的なルール
- 基本となるプレー
- 試合の流れ
以上の3つについてお伝えしていきます。
カーリングの試合では、どんなルールがあって、どんなプレーをして、どんなゲーム展開となるのか。
この記事ではそんな疑問にお答えしていきます。
カーリングの試合を楽しんでもらえるきっかけとなれば嬉しいです♪
【カーリング:中心をめぐる戦い】
画像引用元:北見市公式HP
カーリングは、シートと呼ばれるリンクの上で繰り広げられるスポーツです。
ストーンを投げ入れて、ハウス(円)の中心に近いストーンの数を競う競技。
「ハウスの真ん中で陣を取る」ってことなんですね。
ストーンを置ける位置は決められていて、
「ハウス側のホッグライン~バックラインの間」です。
- バックラインを越える
- 上部のホッグラインを通過しない
このような場合、そのストーンは失格となって取り除かれてしまいます。
数的不利になって、苦戦を強いられる展開に…
No.1ストーン(ハウス中心部に一番近いストーン)を巡る戦いは熾烈です。
- ガード(味方のストーンを守る位置に置かれるストーン)
- バックガード(守りたいストーンの後方に置かれ、身代わりとなるストーン)
など、陣地取りのような戦略を駆使してNo.1を取りに行きます。
このような高い戦略要素があるため、カーリングは「氷上のチェス」と呼ばれています。
道具:ストーンとブラシ
ストーンはグレーの色をした石で、材料は花崗岩です。
重さは20kgあり、ブレずに投げきるのはかなり大変。
ブラシはスイーパーが使う道具。
ブラシでリンクを擦ることで、氷上のペブルを溶かす。
こうすることで、ストーンの距離や進行方向をコントロールします。
リンク:ペブルを制すものがゲームを制す
リンクの表面には細かい氷の粒(ペブル)があり、ストーンの動きに影響を与えます。
ブラシでスイープする(掃く)ことで「ぺブル」の表面がわずかに溶け、摩擦抵抗が減少。
スイープによってすべりが良くなり、ストーンの距離や曲がりをコントロールできるようになります。
より戦略的にストーンを配置することができるので、
緻密なゲームプランによりハイレベルな試合展開が可能となります!
「ぺブル」は試合前に氷の上に水(ぬるま湯)を撒くことで作られます。
ゲームごとに氷のコンディションは変わるので、いかにペブルの特徴を掴むかがキーポイント。
出場選手は5人で構成
カーリングでは試合に出場できるのは5人。
少数精鋭なチーム編成となっています。
選手ごとに役割は決まっており、
- リード:1・2投目を投げる選手
自分が投げる時以外は、主にスイーパー - セカンド:3・4投目を投げる選手
自分が投げる時以外は、主にスイーパー - サード:5・6投目を投げる選手
フォースが投げるとき「スキップ」の役割を担当 - フォース:7・8投目を投げる選手
「スキップ」と呼ばれるチームの司令塔が担当 - リザーブ:ベンチメンバーの選手
チームによって役割は異なってくるが「縁の下の力持ち」な存在
チームの司令塔である「スキップ」を中心に戦います。
試合に臨んでいる選手たちを、リザーブや監督・コーチといったチームスタッフが支えています。
【基本動作:ショットとスイープ】
カーリングのプレーには、主にショットとスイープがあります。
ストーンを有利な位置に配置するためには、この2つのプレーが欠かせません。
状況ごとにショットやスイープの方法が変わるので、
いかにゲーム展開を正しく認識できるかが、勝利に直結していきます。
ショットの種類
カーリングのショットを大まかに分けると、このような感じ。
- ドロー系
→自然に止まるショット - テイク系
→他のストーンに当てるショット
カーリングでは、自分たちのストーンはもちろん、相手のものも弾いて移動させることができます。
軽く当てて、ズラすも良し。
強く当てて、場外に飛ばすも良し。
選手たちはこれらのショットを状況によって使い分けています。
スイープの種類
ストーンの勢いや進行方向をコントロールするのに不可欠なスイープ。
声をかけながら、氷を掃くプレーが行われます。
- ハリー (hurry)
もっと速く強く掃けという指示 - ハード (hard)
もっと強く掃けという指示 - イェップ (yep)
スイーピングをしろという指示 - クリーン (clean)
ストーンの前を軽くブラシで掃けという指示 - ノー (no)
スイーピングをやめる、するなという指示
このように声を掛け合うことで、
チーム全員でストーンの状況やリンクの状況を一投ごとに共有することができます。
「報連相」が勝負の行く手を左右するため、綿密なチームワークが求められます。
【試合の流れ】
カーリングでは、1試合につき10回のエンドをこなします。
試合時間はだいたい2時間30分。
エンドの展開としては、
- 両チームの選手全員が2回ストーンを投げる(合計16投)
- ハウスの中心(ティー)に最も近いストーンが残っているチームに得点が入る
- 点を取ったチームが先攻となって、新しいエンドが始まる
このような感じでエンドをこなし、試合が進んでいきます。
先攻・後攻が得点状況により変化するのは、珍しい特徴ですね。
また「フリーガードゾーンルール」というものが存在しています。
すべてのエンドでは、最初から4投目までのストーン(フリーガードゾーン内に置かれた相手のストーン)をはじき出すことができません。
これによりシート状にストーンが残りやすくなります。
ビッグエンドやゲーム終盤の大逆転劇への期待が高まります。
「フリーガードゾーン」は下記の黄緑色の部分。

カーリングで勝つために必要なことは2つ。
- 自分のチームのストーンをハウスの中心付近にいかに集められるか
→No.1ストーンを置いて、その付近に自陣のストーンを集める - どれだけ相手チームのストーンをテイクアウトできるか
→相手のストーンを場外に追いやり、数的有利を作る
1試合=第10エンド
選手たちは各エンドでストーンを2回ショットします。
1試合でストーンを投げるのは20回。
ただ投げればいいわけではなく、
ハウス内の状況や相手の様子も頭に入れながらストーンをショットする必要があります。
- ストーンの最適な配置を考える
- ストーンを投げる(ショット)
- スイープで距離や方向を調整する
ショットと同様に勝負の命運を握るのがスイープ。
スイープをする選手(スイーパー)は、40メートルのシートを全力でスイープすることも多い。
なので1試合辺りのスイープ総距離は2000メートル近くになることも…
結構大変なスイープ。
「50mプールをデッキブラシでゴシゴシするくらいのしんどさ」に似ているって感じですかね?
知力だけでなく体力も求められるスポーツ。
それがカーリングなんです。
ちなみに第5エンドが終了すると5分間のハーフタイムが取られます。
いわゆる「もぐもぐタイム」ですね。
頭も体力も使うので、選手たちは栄養補給。
そして試合の情報共有を行って後半戦に臨みます。
得点が入る条件と得点数の決まり方
カーリングは10エンドの合計得点が多いチームが勝利するスポーツ。
No.1ストーン(ハウスの中心に最も近いストーン)を置いたチームに得点が入ります。
1つのエンドで両チームに得点が入るなんてことはありません。
得点が入るか入らないか。
「俺か俺以外か」並のシンプルさなんです。
「得点の獲得条件」と「得点数の決まり方」はこんな感じ。
- 得点を獲得するための条件
No.1ストーンを置く - 得点数の決まり方
「No.1ストーン」と「相手チームの中でハウスの中心に一番近いストーン」の間にある自チームのストーンの数で決まる
実際の画像を見て、得点のカウント方法を確認してみましょう。
こちらの写真は「デンマーク戦で大逆転勝利を収めた瞬間」の場面。
ハウスの中心部(ティー)に最も近いのは赤色のストーン(日本)です。
一番右側の赤いストーンがNo.1ストーン。
そして「No.1ストーン」と「黄色のストーンで一番中心に近いストーン」の間に、
赤のストーンは3つあります(No.1ストーンを含む)。
このケースでは、日本は3得点をゲットしました。
No.1ストーンを獲得するだけでも1点を獲得できますが、
勝利を手繰り寄せるにはビッグエンド(3点以上獲得)も必要となってきます。
- 【No.1】
- 【自ストーン】
- 【相手ストーン(ハウスの中心に最も近い)】
No.1と相手ストーンの間に自陣のストーンをどうやれば置けるか、
選手たちは常に考えてプレーしています。
ルール上では1エンドで獲得できる最大点数は8点(各エンド8投までのため)。
オリンピックレベルの試合では3点獲得できれば大量得点となります。
得点したチームが次エンド先攻
カーリングは後攻が圧倒的に有利なスポーツ。
次エンドでは得点したチームが先攻となることで、投げる順番による不公平さを解消しています。
これにより一方的な展開になりづらく、第10エンドまで目の離せない展開が多くなります。
ちなみに各チームに与えられている持ち時間は73分。
制限時間内に全ての投てき(80投)が終わらないと敗戦となってしまいます。
単純計算で1投あたり1分も使えませんね。
カーリングは正確かつ迅速な状況判断能力が求められるスポーツで、頭フル回転な競技なんです。
【まとめ】

カーリングのルールや得点の入り方などを見てきました。
- 1試合=10エンド
- 各エンド1人2投行う(チームで8投)
- No.1ストーン(ハウスの中心に一番近いストーン)を置いたチームのみに得点が入る
- 得点数は「No.1」と「相手のストーン(ハウスの中心に一番近い)」の間の自ストーンの数
- 得点したチームは次のエンド先攻になる(後攻が有利なため)
- 73分間の持ち時間で80回投げ終わらなければならず、高い状況把握能力が求められる
頭脳と体力を求められるカーリング。
非常に奥が深いスポーツですね♪
カーリングの楽しみ方がわかったらロコ・ソラーレを一緒に応援しましょ♪
カーリング用語についてもっと知りたい方はこちら
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